この仕事をしているとコンプライアンスという言葉を時々耳にすることがあります。コンプライアンスという言葉が浸透してずいぶん経ちますが、このコンプライアンスという言葉が浸透してきたが故に窮屈さを感じている方も多いのではないでしょうか。

 コンプライアンスとは「法令遵守」という意味で、粉飾決算や耐震偽造、違法残業による過労死などはまさにコンプライアンス違反であると言えます。しかし、最近では法令以外の企業倫理や社会的規範までをも含めてコンプライアンスという言葉が使われるようになってきました。

 さて、組織を運営していくなかで企業倫理や社会的規範を守らせようとした場合、皆さんならどういった方法をとられるでしょうか?

 新たな社内ルールを定めてコンプライアンス違反を防ぐと考える方が多いのではないでしょうか。しかし、それではとても窮屈な職場になってしまうと思います。少し極端な例となりますが、校則をなくした公立校ということで注目を集める区立桜丘中学校をご存知でしょうか。「ルールがあると、それを守らせようと躍起になる。それでは子どもが楽しいはずがない。」というのが校則をなくした理由の一つだそうです。

 それに、ルールをつくるということは最低の基準をつくるということでもあります。つまり従業員の思考は常に最低の基準(ルール)に向くことになり、「これだけ守っていればいいや」という組織風土が生まれてしまう可能性があるので注意しなければいけません。


 従業員にルールを提示して守らせることも必要ですが、それ以上にトップや上司があるべき姿を体現してそれを目指してもらうよう働きかけることこそが大事なのではないでしょうか。コンプライアンスという言葉に過剰に反応して惑わされないようにしたいものです。

 

東京支店長 白倉 玄