皆様新年あけましておめでとうございます。

 あれ?このフレーズをここで使うのは何度目だろう?と思いちょっと調べてみたところ、偶然にも3年連続で新年最初のコラムを担当しています。少しは新年らしいことを書きたいところですが、果たしてどうなりますか。

 このコラムを執筆している今日(令和3年1月7日)、再び首都圏1都3県を対象に緊急事態宣言が出されました。さらに大阪や兵庫、京都等でも知事から政府に要請を行う方向で調整されているようです。

 さて早速、菅首相による会見が行われたわけですが、それはいつものことながら会見とは名ばかりの「台本の棒読み会」であり、少しでも期待した自分に腹が立つという結果となりました(いったい何度目だろう)。Covid-19という人類にとって未知なる驚異にさらされている我々は、何が正解で何が間違っているのかさえ分からない手探り状態で日々を生きていかなければならないのです。だからこそ強いリーダーシップを期待するのですが……いえ、これ以上はよしましょう。

 みなさんはメラビアンの法則をご存知でしょうか。簡単に言えば、話し手が聞き手に与える影響というものは「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成され、それぞれの情報の影響力は順に7%、38%、55%になっている、というものです。つまり話し手が話す言葉の内容自体は、相手に対して僅かな影響力しかなく、声のトーンや大きさ、口調や話す速さ、あるいは話し手の表情や目線、態度や仕草など(ボディランゲージ)こそ、圧倒的に聞き手に影響を及ぼすそうです。

 このことから、先の「台本の棒読み会」での話は、内容(言語情報)はさておき、全くといっていいほど抑揚のない暗い声で、しきりに手元の台本に目を落としながら、ただそこに書いてある他の誰かが書いた文字を読み上げるといった調子でした。つまり合わせて93%もの影響力を持つ「聴覚情報」と「視覚情報」の面で――ごく控えめに言って――ものすごく残念だと言わざるを得ません。これだから……いえ、よしましょう。

 ピンチに陥ったとき、人々はリーダーの力強い言葉を、声を、態度を、欲します。国のリーダーだけではなく、組織のリーダー、会社のリーダー、いずれに対しても同じことです。コロナ禍で大変な状況はまだまだ続きそうですが、苦しいときこそ、リーダーが発する言葉が皆に与える影響は大きくなります。どんなトーンで、どんな口調で、どんな表情や態度で言葉を発するべきか。今一度、自分ごととして考え直してみなければいけません。

 最後になりましたが、今年こそ希望の持てる年にするべく、協心職員一同、四方笑顔を忘れず百年企業づくりのお手伝いに精一杯取り組んで参ります。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 
 

兵庫支店長 増尾 倫能