アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が亡くなられて10年が経ちました。10年の節目ということで様々なメディアに取り上げられていましたね。私自身はアップル信者でもなんでもないですがスティーブ・ジョブズ氏のことは知っていますし、社会人として働いている人であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「天才」、「カリスマ」と称され数々の功績を残し世界にイノベーションを与えた方なので亡くなられてもう10年も経つのかと思います。

 スティーブ・ジョブズ氏といえば、スタンフォード大学でのスピーチが有名です。このスピーチでは膵臓がんと診断されたジョブズ氏の「死」という人生の終着点をはっきりと自覚したメッセージが込められており、当時社会人なりたての私にはいまいちピンとこなかったのですが、今あらためてスピーチの内容を読むとまた違った印象を持ちました。

 そのスピーチの一部を紹介します。

 ―― 人はいつか死ぬと覚悟することは人生で大きな決断をするときに大きな自信になります。なぜなら、決断をためらわせる周囲からの期待やプライド、失敗や恥をかくことへの恐怖といったものは、死に直面すると全て消え去るからです。
 あなたの時間は限られています。どうか無駄に他人の人生を生きないでください。そしてドグマに捉われないでください。それは他人の考え方に付き合った結果にすぎません。

 このスピーチは大学での学位授与式で卒業生に送られたものではありますが、自分の可能性をもう一度信じてみるという意味ではこのスピーチは中年の心を震わせるものではないかと思います。中年にもなると職場ではある程度の地位にいて経験もあります。そのため居心地が良いあまり「このままでいいか」と思う気持ちは多くの人が抱くはずです。それが良い悪いという話しではなく、そっと自分の可能性に蓋をしてしまうのはもったいないなと。

 人生の折り返し地点をむかえ残りの人生を意識するようになるとジョブズの言わんとすることが何となく分かるような気がします。幸い毎日のように壁にぶつかっていて理想には程遠く「このままでいいか」と思える余裕など微塵もありませんが、他人の人生を生きるのではなく自分を生きていきたいものです。

 最後に、このスピーチの締めの言葉を紹介します。

 ―― ハングリーであれ。愚か者であれ。

 

東京支店長 白倉 玄