東京オリンピックが始まりましたが、皆さんはご覧になられていますか?私自身は自国開催が初めてということもあり、興奮を抑えきれずにいます。柔道を筆頭に、サッカー、野球etc…応援しきれずに困りますね。開催の是非も未だに議論されていますが、開催された以上は精一杯応援したいと思います!
さて、開会式。これも賛否がありましたが、MISIAの国歌斉唱に始まり、市川海老蔵のにらみ、上原ひろみのピアノなど、個々の才能や日頃の鍛錬などが背景にみえて、私は純粋に楽しめました。ピクトグラムのパフォーマンスに至っては、このデジタル全盛期にあって半端ないアナログ感が、余計に存在感を強めていましたね。
ただそんな中で、開会式からある意味「日本のお家芸」も披露してしまった感があります。それは、個々のセクションは素晴らしくても、全体的にみるとぱっとしない…目的と方向性がどうもわかりづらく、何を表現したかったのか。木を見て森を見ずというか、戦術あって戦略なしというか。個は輝いているのに、全体としてのつながりがちぐはぐでした。
匠の国・日本。どの分野においても、個を磨くのは本当に得意なのですが、それが集まり組織となるとどうも機能が止まりがちです。全体を俯瞰できるリーダー不足と言ってしまえばそれまでですが、それとは別に、組織の弊害というのはやはり無視できないと思います。
日本をはじめアジア諸国では、文化圏として組織の権力格差(=上司に反対しにくい度合い)が大きいので、リーダーが選択を誤りそうな時の是正がなかなか困難です。あるいは、若手からいい意見が出てきても、小姑のような人が居て色々とケチをつけたり混ぜ返したり…個の才能を組織が邪魔するという構図、体験された方も多いのではないでしょうか。
経済が右肩上がりの時代でこそ、リーダーや年長者の意見・経験は正解でしたが、今はそうではありません。複雑化した世の中に加え、習得した知識・ノウハウが瞬時に陳腐化し、役に立たなくなっていきます。ですから、組織を機能させるためには、「多様な人材構成」と「風通しの良さ」は今後どんな組織でも不可欠ですね。もちろん最後にはそれらを集約し方向づけるリーダーが必要にはなるのですが。
さて、オリンピック。開会直前で組織的にゴタゴタしましたが、それをかき消すように各選手が奮戦しています。願わくば、スポーツに向き合う日本人の心意気を示してほしい!その結果としてのメダルであってほしいですね。安直なメダルの数数えとは距離を置きたい今日この頃です。
大阪支店長 𠮷村 徳男