すっかり秋らしい季節になり、朝夕の寒さも日に日に増してきましたね。秋といえば皆さん何を思い浮かべるでしょうか。

 色々と思い浮かぶと思いますが、私は運動会です。コロナの影響で例年と違った形式ではありましたが、小学校、保育園と子供達が一所懸命に競技に取り組む姿、そして成長した姿を観ることができて嬉しかったです。

 運動会では駆けっこやリレーが一番盛り上がり、子供達以上に保護者のほうが応援に熱が入っていたように思います。我が家でも一等賞を取るため運動会に向けて練習をしましたが、練習を頑張れたのもそこに競争があったからだと思います。人は競い合うということで努力が促され、時には実力以上の力を発揮することがあるので、人の成長と競争は密接な関係にあると思います。

 しかし、社員の成長を促そうとして社内に競争原理を持ち込もうとすると、時にはそれが思いもよらぬ結果として、社内の雰囲気を険悪にしてしまうことがありますので気を付けたいところです。

 人は自分が所属している集団を実際よりも高く評価してしまう傾向があり、社会心理学ではこのような現象を内集団バイアスと言います。自分が所属している集団をひいきしてしまうため、その反動で他の集団に対して敵意を抱いてしまうということです。

 社員同士が常に敵意をもって競争している職場より、仲間として助け合う職場のほうが理想的なのは明白ですが、これからの時代はリモートワークや多種多様な雇用形態、副業・兼業の推進により会社組織という概念が薄れ、組織からより個人の働き方をどうしていくべきかと課題がシフトしていくことを考えると一概には競争が悪いものとは思えません。

 むしろ、働き方がより個人にフォーカスされるということは自由を享受できる反面、責任や競争にさらされることになります。周りの目がなくても自ら努力する環境を創るには競争をどのように捉えるかというのも一つポイントになってくるのではないでしょうか。

 

東京支店長 白倉 玄