プロ野球の日本シリーズが閉幕し、私の野球観戦もオフシーズンに入りました。私は地元の某球団の大ファンで、ペナントレースでは忸怩たる思いで観戦していたものの、日本シリーズでは大いに興奮させていただきました。
 
 今回の日本シリーズで特に印象に残ったこと。それは監督自ら指示し、それを一流選手が遂行し、ベンチに戻って来た一流選手に対して「帽子を取り一礼して出迎えた姿」です。その一流選手が福岡ローカルのTV番組で「バントは当たり前の選択」「監督にそこまでされて逆に恐縮した」と言っていました。続けざまに「勝つための作戦だから」「僕は勝ちたい」と言っていたことも非常に印象に残りました。
 
 「目的」を皆で共有し、そのための「手段」も皆で共有できる。個の力だけでなく組織としてのマネジメントもできている。これがあっての結果だったのかもしれません。
 
 私はスポーツのこうしたことをすぐに会社経営に落として考えてしまうのですが(笑)、こうした場面というのは会社経営でもよくあるシーンだと思います。特に中小企業ではなおさらではないでしょうか。
 
 大企業の場合、多くの従業員が在籍しているので、経営者が顔を見せてのトップダウンが難しいと思います。だからこそ、各部署のトップが経営者の代わりに指示系統を取り纏めるボトムアップダウン型になるのは必然でしょう。
 
 中小企業の場合、会議一つをとってもその場に経営者がいることが大半ではないでしょうか。もしくは、会議を行わなくても経営者からのトップダウンによる指示が都度出ることもあるでしょう。
 
 私は以前にもトップダウン型の経営戦略について記しましたが、現代型のトップダウンの特徴として「経営者と従業員の意見交流の場があること」を記しました。なぜ意見交流が必要なのか?それは前述したような「目的」の統一化であり、そのための「手段」の統一化、このためです。
 
 経営者が同じ場にいるにもかかわらず、経営者が代わりの方に発言させるというケースを目にしたことがありますが、「経営者に代わっての発言」、その「意味」を皆が理解していれば統一化できていると言えますが、そうでなければ統一化できているとは言えず、むしろ統一化どころか不平不満を助長するだけになってしまうことも考えられます。
 
 また、「忙しいから」「メール等を扱えないから」という理由で、代わりの方が電話やメールをするという事案も最近よく耳にします。これは、外国人監督を起用し、選手たちへの指示が通訳頼みになってしまうということと同じで、「伝えたいこと」が本当に伝わっているのか?というリスクが潜んでいます。
 
 私が感化されたことは「トップが直接伝えること」の重要性。私も福岡支店を預かる身として、まずは福岡支店皆の満足度を高めるために邁進いたします。

 

福岡支店長 木村 和人