先日、神戸市の某所で開催されたボート体験会に参加しました。水面を楽しく浮かぶ程度の体験と思っていましたが、舵手付クォドルプルといわれる5人乗りのローイング競技用ボートへの乗船という事を会場に行ってから知りました。
地上でローイングマシンをつかって体の動かし方を5分程度練習したら早速乗船です。指導者の掛け声に合わせて腕を伸ばしたまま脚を曲げ、オールを着水したら膝を伸ばし、その後腕を引っ張る、そしてオールを水面から上げてまた腕を伸ばして膝を伸ばして指導者の掛け声を待つ、この繰り返しです。
10分ほどでだんだんと動きそのものに慣れてくると、周りを見る余裕も出てきて、指導者のキャッチ…ソウ…と繰り返し声掛けをしている内容の意味をかんがえるようになりました。後ろ向きに進む船の中で唯一進行方向に向いており、漕ぎはしませんが周囲の安全を確認しながらまっすぐに船が進むよう其々の体験者に適宜声をかけているのが印象的でした。あとから調べると、あの体験会の指導者はコックス(舵手)という司令塔の役割を果たしていたことが分かりました。
よく会社や組織を船に例えることがあります。
多くの会社や組織では、必要としている能力や経験を持ち合わせている人や将来性を期待して人材を採用し、適性に応じた役割や職務に配置しているかと思います。会社や組織に入った(船に乗った)からといってコックスであるリーダーとクルーである社員が自然と同じ目的地を見据えて力を合わせられるわけではありません。
私は、それぞれの人がその能力を存分に発揮し、目標に向かって推進していくためには、社員は組織が抱えている課題と目標、そして其々が任されている役割と責任を理解することが大切であり、リーダーは社員同士の力を連携させるために働きかける事が大切なのだと考えます。先日の体験会でも経験した事ですが、リーダーが明確に言葉にすることで、社員が自信をもって組織の中での自らの果たす役割を遂行できるのではないかと感じました。
支店運営の中では、週に1回10分程度のプレゼンテーションの他、毎月2回の個別の面談を継続して実施していますが、ローイングで感じたことを、日々の言動に活かしてみようと思います。
神戸支店長 春原 真起子