人を動かすもの

支店長コラム

 最近の若者は草食系で元気がない-社長や年配社員と話しているとよく聞く言葉です。我々の若い頃は車だったりデートに着ていく服だったり、とにかく欲しい物だらけでがむしゃらに働いたものだ、それなのに今時の若者は・・・なんて話に巻き込まれた経験のある方も多いかもしれません。はたして最近の若者は本当にハングリーではないのでしょうか。

 私なりに感じるのは、いつの時代にあっても、その時代の若者は常に「その時代に不足しているもの」に対してハングリーなだけなのだということです。現在の社長や年長者がまだ若者だった昭和の時代と違い、これだけ物が過剰に溢れている時代にあって、若者が金銭や物に対してハングリーになれないのは当たり前のことなのだろうと思います。

 では、いまの若者が求めているもの(いま不足しているもの)とは何だろうかと考えると、それは「何のためにするのか=意味」ということだろうと私は解釈しています。若者の採用面接をしていても、「意味のないことはしたくない」という最近の風潮を強く感じます。待遇等はそこそこに、モチベーションの源泉をものすごく欲している、そんな感覚です。

 LCC(格安航空会社)である日本のピーチ・アビエーションの掲げる同社の「意味」をご存じでしょうか。一言でいうと、戦争を起こさせないため。過去の日本とアジアでの不幸な出来事を踏まえて、二度と起こさないために、友達がいろんな国にいるようにしたい⇒若いうちにどんどん海外に出ていろんな文化にふれてたくさんの人と知り合ってほしい⇒そのために財布の軽い若い人でも乗れていろんな国に行ける、そういう航空会社が必要だ、というのが同社の掲げる「意味」です。この意味があればこそ、「売上をあげよう」「コストを下げよう」という経営上の課題に対してシラケることなく、モチベーションをもって従業員が動くことができるのだと思います。

 いま振り返ってみると、昭和・平成の時代は意味のない数字目標が科せられることが往々にしてありました。そんな乾いた目標では、もはや人は動かない、動いたとしても表面上だけでしょう。現代社会においては、モチベーションは最大の経営資源です。手段や方法論は関係なく、仕事に意味が与えられた時に人は自発的に動く。それを踏まえて、仕事の意味をもっと伝えていきたいと、少々焦る今日この頃です。


 

大阪支店長 吉村 徳男