少し旬を過ぎた話ですが、『愛の不時着』が大ヒットしましたね。私も視聴しましたが、壮大なストーリーや魅力あふれる俳優陣など、本当に楽しめる作品でした。他にも、これまた大流行した『鬼滅の刃』等、ネットフリックスは本当に魅力的な作品を配信していますね。コロナ禍という時代背景も追い風に、業績は絶好調。GAFAに加えてFAANGなんて呼ばれているのも頷けます。

 快進撃を続ける同社ですが、興味深いのは、CEOリード・ヘイスティングスへの「ライバルは?」という質問に対する回答です。てっきり「アマゾンだ!」なんて言うのかと思ったら全くの見当違いで「リラックスするためにすることは、すべてライバルだ。テレビゲームとも競うし、ワインとも競う。実に手ごわいライバルだね」というものでした。

 ライバル=同業界・同業種、という表面的なくくりで示せるほど、今の世は単純ではありません。彼は「家でリラックスした時間を過ごしたい」というジョブについて考え抜き、本当のライバルを設定し、それらに打ち勝つ戦略を描いているのでしょうね。

 それを参考に、私も社労士としての自分のライバルを考えてみます。表面的には、同業者つまり他の社労士がライバルだと見えがちですが、私の仕事の定義をもう少し深めて「ヒトの分野で社長・会社を助けるもの」と設定すると、また違ったライバルが浮き出てきます。

 ぱっと思いつくのは、バックオフィス領域でバッティングするBPO会社や派遣会社、コールセンター、はたまたHRtechといったテクノロジーあたりでしょうか。部分的なところもありますが、これらは間違いなくライバルです。本当に手強い…

 そして、なんといっても最大のライバルは、各社に存在する総務部や管理部の方々です。我々社労士は彼らと切磋琢磨しなければいけません。自己研鑽して、彼らより高度な専門知識・知恵を身につけより効率的に、早く、安く業務を提供し、「バックオフィスは専門家に外注しよう!」と会社に思わせなければ。この日本では、未だ8割近くが給与計算等を自社処理してるといわれており、これは社会にとっても損失です。本業等に注力してもらうためにも、我々は業界を上げて外注に取り組んでいくべきだと考えています。

 そういう意味で、私の中では同業者(社労士)=ライバルというよりむしろ「共存すべき同僚」のようなニュアンスです。お互いに連携をとりながら、業界全体を盛り上げていくことがお互いにwin-winとなる、そんな関係構築を目指したいと思っている今日この頃です。

 
 

大阪支店長 吉村 徳男