Q.事業所備付の就業規則を紛失したのですが、監督署に届けているから大丈夫ですよね?
過去に監督署に届出た就業規則の事業所備付分(原本最後の1冊)を紛失してしまいまし
た。しかし、監督署に届出ているので問題ないですよね?また、監督署に申し出れば再
発行もしてもらえますよね?
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A.大丈夫ではありません!
労働基準法第89条では常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。また、同じく労働基準法第106条にてその就業規則を労働者に周知しなければならないともされています。
今回の場合は、事業所備付分の最後の1冊を紛失したのとのことですので、現状、従業員への就業規則の周知ができておらず、労働基準法第106条に反していることになります。またこの場合、過去に労働基準監督署へ届出ているので問い合わせれば再発行してもらえるのではないかと思いがちですが、監督署では就業規則の再発行は行っていません。監督署によっては当該事業所の従業員のみ口頭で条文の開示を行ってもらえる場合もありますが、実際、これでは従業員へ周知していることにはなりません。
よって、就業規則を再作成し、再度監督署へ届出を行う必要があります。
意外と紙形式の就業規則しか備付けていないという事業所が多いですが、就業規則の従業員への周知は、磁気ディスク等に記録してパソコン等で閲覧できるようにしても問題ありません。ですので、監督署へ届け出た原本は事業所で保管し、周知はパソコン等でデータ確認するようにされても良いでしょう。