新型コロナウイルスの流行にともない免疫力を高めるための食事や運動などに関心が高まり日頃の生活を気にされている方もいるのではないでしょうか。免疫力が高ければ病気になりにくく健康な体を維持できるとよく聞きますが、どうやらそう単純なものではないようです。
そもそも免疫とは自分の体と異物を区別して細菌やウイルスといった異物の侵入から体を守るシステムのこと。体を守るためのシステムならば免疫力は強い方がいい!と、私は単純に思っていたのですが、強すぎても弱すぎてもダメで重要なのは異物への対応力で押しても引いても倒れないようなしなやかさだそうです。
というのも免疫反応は強すぎても弱すぎてもトラブルのもととなってしまうことがあり花粉症などがその典型的な例で、体に侵入してきた異物を免疫が強く反応しすぎると体への負担が大きくなり、かえって症状が悪化してしまうということです。そのため、免疫には体に侵入してきた異物のみを攻撃して自分の体にはダメージを与えないしなやかさやバランスの良さが大切だということです。
さて、ワクチン接種の副反応が人によって違うのは、この免疫のバランスが人によって様々であるからと言われています。人によって違った免疫システムを使うように遺伝子に組み込まれており、生物は細菌やウイルスに感染しても絶滅しないように多様性を備えているというのです。
ビジネスにおいても外部からの様々な環境要因が組織に影響を与えますが、その時いかにしなやかに対応できるかが重要です。特に人事において人材の固定化は組織を硬直化させてしまうので、しなやかな組織を創り上げるためにも多様な価値観や能力を積極的に受け入れることが必要になります。バランスを整えるという意味では、受け入れるではなく摂り入れるという方が正しいかもしれませんね。私に限って言えばこれからの花粉シーズンに備えしっかり栄養を摂り体の免疫バランスも整えていかねばと思う今日この頃です。
東京支店長 白倉 玄