近頃の人工知能(AI)の進歩には目を見張るものがありますが、特にここ数年、碁や将棋の世界では(一昔前までは勝つことなんて絶対に不可能だと思われていた)名人等のチャンピオン達に対して、人工知能プログラムが立て続けに勝利を収めており、もはや人間とコンピュータの対決に意味を持たせる時代は終わったとさえ言われています。つまりウサイン・ボルトと自動車を競走させることと同じように、「ナンセンス」だというわけです。

 

 将棋や囲碁の世界だけではなく、実に様々な分野で同様の「常識破り」な出来事が起こっています。なぜ近年AIがそのような急激な進歩を遂げたのかというと、AIに代表されるような情報テクノロジーは、線形的な発達ではなく指数関数的な発達をするからだそうです。

 

 例えば1%の解析が終わるまでに7年を要した難しい問題があったとして、すべての解析(100%)を終えるにはこの後どれぐらいの時間が必要だと思われますか?「1%の解析に7年かかったのだから、すべてを解析するにはその100倍である700年はかかる」と考えませんでしたか?こういった思考を線形思考と呼びます。これまでの直線をそのまま伸ばして未来をイメージするやり方ですね。

 ところが実際のところ、上記の解析は7年で完了したそうです。1%の解析が終わった後、そこからは毎年倍々で指数関数的に結果が伸びてゆき、次の年には2%、その次の年には4%、その次の年には8%、16%、32%、64%・・・といった具合に。

 

 これからますますAIが私達の生活に入り込んでくることは間違いないことでしょう。そしていくつかの職業から人間を追い払うことになるかもしれません。しかし恐れることはありません。AIが決して真似できないことは、必ず残ります(AIが患者のガンを発見したとして、AIはそれをどうやって本人や家族に伝えるのでしょうか?)。

 

 ありとあらゆる分野や業界でAIが活躍するようになるそう遠くない未来、「人間の体温が感じられるサービス」が重要になってくると私は考えます。

 

 私たち特に兵庫支店が目指すサービスもまさにそこにあり、様々なご要望を汲み取り、改善点を見つけ、それを機械的に処理するのではなく、人の温もりを感じられるサービスを提供すること―― これからもそのことを忘れずに皆様を支え続けて参りたいと思います。

 

兵庫支店長 増尾 倫能