つい先日のことですが、今までに前例の無いまるでマンガのようなサッカーの試合がおこなわれました。サッカーファンの私からするとまさにドリームマッチ。そうです、日本代表対U-24代表(五輪代表)の試合です。

 当初予定されていた日本代表の対戦相手であるジャマイカ代表が来日することができなかったため、代替試合として行われたのですが試合内容も実に見応えがありました。

 なぜこの試合が注目の一戦かというと、いわゆる一軍である日本代表には負けたら何を言われるかわからないという相当なプレッシャーがかかるため、日本代表に限らずサッカーでは一軍対二軍という練習試合をすること自体がないからです。

 そして何より驚いたのは、ジャマイカ代表との試合が中止と決まった当日に代替試合が公式に発表されたことです。急なキャンセルにも迅速に決断ができスムーズに対応することができたのは、どちらのチームも同じ監督が指揮をとっていたからでしょう。兼務のメリットが最大限活かされた形となりました。

 大企業や大きな組織であればあるほど、緊急時の対応や改革を一気呵成に実行する様を見ると、その組織のマネジメント力といいますか、底力を感じますよね。

 「組織をまとめていくリーダーの仕事は答えのないことを決断すること。答えがわからないときにわからないことを決断するのだから直感で決断するのだが、そんなときに何を基準にするのかと言ったら、やはり私利私欲のない、なんのためにこの決断をするのかということを基準にする。」

 これは元サッカー日本代表監督の岡田武志さんの言葉です。

 今回の決断も試合をして良かったか悪かったかは、試合前にはわからないことで、その良し悪しも数年後にならないとわからないかもしれません。それに、経営層に近ければ近いほど今すぐに決断しなくてもという案件が多いものです。それでも決断しないと組織は動きません。いや、動いてはいるけれど意志がないと言ったほうが正しいかもしれませんね。

 決断しているか。そしてその決断は私利私欲のない決断か。常に自分に問いかけていきたいものです。

 

東京支店長 白倉 玄