近畿圏以外の方はピンと来ないかもしれませんが、超現場主義「7人の社労士」が割と話題になっていますね。これは、全国社会保険労務士会連合会の近畿地域協議会がWEB公開しているもので、最近特に相談の多い7つの事案を、それぞれ得意分野とする7人の社労士が解決するというストーリーになっています。物足りなさは否めませんが、社労士業界を盛り上げていこうとする連合会の意図も垣間見えて、これはこれで面白いですね。
ここで取り上げられている7つの事案とは、有給休暇/賃金計画/長時間労働/健康経営/採用活動/ICT化/外国人雇用と、旬でありながらどれも一筋縄ではいかないものばかりです。WEBで公開されている解決ストーリーはほんのさわりで、現実には事業所の状況を踏まえつつ、法律知識と想像力を総動員しての対応が求められます。
7人の社労士の共通項は「コンサルティング」であり、いま我々社労士に最も求められているものです。少し前であれば、社労士に求められるものは「法律知識」や「的確な役所対応」というイメージでしたが、時代とともに変化してきました。変化というよりは、従来の法律知識や役所対応は前提となっているので、追加ですね(笑)。頼られることは嬉しいことですが、CS(顧客満足度)のハードルがどんどん上昇しています。事業所の要望に応えるために、こちらも必死です。
法改正が頻繁に行われ、役所対応方法も常に変化し、事業所の悩みはより解のないものへと深まっていく。こんな世の中で、中小企業にとって、我々のような存在がますます必要不可欠になってきている自覚はあります。同時に、社労士1人ですべてを網羅することは不可能な時代だと痛感します。それだけに、もはやある程度の仲間を集めて初めて成立する業、それが社労士事務所(法人)だと思います。
7人どころか当法人は40名以上の仲間が居ますが、それでもまだまだ足りないと感じています。時代に並走し、よりきめ細やかなサービスを展開するためにも、もっと多様な才能や個性のある社労士を同居させて組織力を上げたい、そういう思いで溢れています。その先には、得意分野の異なる社労士事務所同士も、手を携えて進む未来が待っているのではないかと思います。そうやって社労士業界全体が盛り上がれば、それが全国津々浦々の中小企業の活性化につながるのではないでしょうか。それが私の理想でもあります。
大阪支店長 吉村 徳男