ついに、大阪・関西万博がスタートしましたね。

  

 私にとって万博といえば、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」。実家から自転車で10分程度のところにあったため、親がパスポートを買ってくれて、家族で頻繁に足を運んでいた記憶が鮮明に残っています。

 

 ガスパビリオンにはおにぎりロボットが作ったおにぎりをもらうために何度も何度も列に並んだり、ミュージカル・シアターでは生まれて初めてミュージカルを見たり、電力館では乗り物に乗って光が飛び回る異空間をさまよったりと、小学生ながら見るものすべてが新鮮なものでした。あわせて、国際庭園を訪れながら異国の文化に触れたのはこれが初めてだったかもしれません。とにかく私にとっては刺激的なものであり、その後の自身の生き方に影響を与えたものといっても過言ではありませんでした。今でも手元に残っている、マスコットキャラクターだった花ずきんちゃんのテレホンカードを見る度に、そう思います。

 

 そんな万博が再び大阪で開催されることになりましたが、未来を担う子どもたちに万博が与える影響をあらためて考えてみたいと思います。

 

 大阪・関西万博では、AI(人口知能)、ロボット技術、バイオテクノロジー、宇宙開発など、最先端の科学技術が展示されます。子どもたちは、実際にこれらの技術を目の当たりにし、触れることで、科学への興味を深めるきっかけになります。ロボットの接客、バーチャル空間を活用した展示など、子どもたちは未来の仕事について具体的なイメージを持ち、自ら学ぶ意欲を高めることができるはずです。

 

 この「科学技術への興味を育む機会を得る」ということだけではなく、やはり私自身がそうだったように、「異文化に触れることができる」というのも大きいです。各国の文化や価値観を紹介するパビリオンを訪れることで、自国と他国の違いや共通点を学ぶことができますし、外国人と直接交流する機会が増えることで、異なる言語や習慣に興味を持ち、国際的な視野を広げるきっかけになります。グローバル化が進む現代社会において、多様性を理解することは非常に重要な意味をもつでしょう。

 

 最後は、「創造力や発想力を刺激する」ということでしょうか。アートやデザイン、エンターテインメントなど、創造性を刺激する展示も多く、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用した未来都市のシミュレーションを体験することで、新しい発想を得ることができるのではないかと思います。

 

 世間で飛び交う賛否両論の声を尻目に、私自身は過去の経験を踏まえて、ワクワクした気持ちを保ちながら、今はいつ入場しようかと開幕直後の状況を見守っているところですが、私から子どもへのプレゼンテーションがうまくできていないため、まずはそこからです。

 

 とにかく、多種多様な要素をもつ万博は、何かの「きっかけ」作りにするには最適な場となりますので、私としてもこのイベントから学びを得たいと考えています。

 

大阪オフィス所長 東 武志