新しい人を採用する、あるいは配置転換等で新たなメンバーをチームに加えるときに重要なことについてお話しします。

 最初に確認しておくと、新しいメンバーに望むことは、活躍する(仕事に適応する)ことですよね。ただし通常いきなり活躍することは難しいので、まずは職場に馴染む(組織に適応する)ことが必要です。職場に馴染む前に活躍する確率は極めて低いのですが、そのことに気付かずに過度な期待をしてしまうことがあります。よくある「即戦力幻想」ですね。

 では職場に馴染んでもらうためには何をすれば良いのか。組織の価値観(何を良しとし、また何を大切にしているのか等)を明示し、それをメンバー同士の繋がりの中で共有すること。また、単純なことですがしばらくは「見守る」ことも重要でしょう。見守ってくれている人がいるということ自体が、中途入社者の力になります。

 そしてもうひとつ大切なことがあります。
 小さな成功体験を作ることです。

 チームの中で、本人も周囲も「成果を上げた」と感じられる小さな成功体験を積み重ねることで本人の自信に繋がります。さらにチームに対して貢献・活躍できたことを実感するようにもなります。

 いきなり大きな成功を収めることは難しくても、小さな成功体験なら工夫次第で周囲が用意することは可能ではないでしょうか。

 即戦力幻想に陥り、せっかくの能力や可能性を潰すことのないようにしたいものです。

 

兵庫支店長 増尾 倫能