2016年に女性活躍推進法が成立し、常時雇用する労働者数が301人以上の事業主には、一般事業主行動計画の策定・公表が義務付けられました。この女性活躍推進法は2019年に改正され、2022年4月1日からは常時雇用する労働者数が101人以上300人以内の事業主(以下、「101人以上の事業主」という)についても、一般事業主行動計画の策定・情報公表の義務の対象となります。そこで、今回は101人以上の事業主において、今後どのような取組が必要となるのかを解説します。
[1] 101人以上の事業主
101人以上の事業主に該当するか否かを判断する「常時雇用する労働者数」とは、正社員だけでなくパートタイマーや契約社員、アルバイトなど、その名称にかかわらず、以下の要件に該当する労働者が含まれます。
- 期間の定めなく雇用されている人
- 一定の期間を定めて雇用される人であって、過去1年以上の期間について引き続き雇用されている人。または雇入れ時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる人
[2]取組事項のステップと情報公表
101人以上の事業主は、2022年4月1日から一般事業主行動計画の策定・情報公表の義務化対象となります。具体的に求められる取組事項をまとめると以下の3つのステップになります。
- 女性労働者の活躍状況の把握と課題分析
採用者に占める女性比率や労働者に占める女性比率、平均勤続年数の男女比、月別の平均残業時間数、管理職に占める女性比率など、自社の女性の活躍に関する状況に関して把握を行います。そして、この把握した内容をもとに、自社の課題を分析します。 - 一般事業主行動計画の策定、社内周知、公表
状況把握、課題分析の結果を勘案し、計画期間、数値目標、取組内容、取組の実施時期を盛り込んだ行動計画を策定します。策定後には、パート等を含めたすべての従業員に対してこの策定した行動計画を周知し、自社のホームページに掲載するなど、外部に対しても公表を行います。 - 都道府県労働局へ届出・年1回の情報公表
行動計画策定後は、一般事業主行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ届け出ます。また、女性の活躍に関する情報公表として、定められた項目から1項目以上を選択して公表する必要があります。さらに公表した情報の内容は、おおむね年1回以上更新し、いつの情報なのかが変わるように更新時期を明記します。
101人以上の事業主は、施行日となる2022年4月1日までに一般事業主行動計画の策定・情報公表を行う必要があります。状況の把握や分析には一定の時間がかかることもあることから、早めに取組みを進めましょう。
■参考リンク
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。