ここ数年、ESGやSDGsといった言葉が急速にビジネスの場で聞かれるようになりました。企業がこれからも成長を続けていくためには、環境や社会、ガバナンスへの対応がますます重要になっていることは間違いありません。しかし、企業が持続的に成長するために見逃してはいけないのは、従業員一人ひとりの「働きがい」です。

 

 環境への配慮や社会的責任を果たすことは、企業の評価を高める一方で、従業員一人ひとりが企業に貢献し、働き続けたいと感じる「働きがい」を提供することも、長期的な企業成長において重要な要素です。昨今、若手を中心に「やりがい」や「社会への貢献」を重視する価値観が強まりつつあります。そういう意味でも、これからは単に収益を追求するだけでなく、社会的意義を持った仕事を提供できるかどうかが、企業の発展を支える原動力となるでしょう。

 

 CSR活動や地域貢献など、直接的に社会とのつながりを実感できる場を提供することはとても重要です。従業員が自身の業務を通じて社会や環境に良い影響を与えていると実感できれば、モチベーションの向上や組織への帰属意識が高まります。企業側としても、これらの取り組みを効果的に促進し、従業員と社会が共に成長できるような取り組みが求められます。

 

 また、働きがいを高めるためには、組織内のコミュニケーションや評価制度の見直しも重要です。リモートワークや柔軟な働き方が広がる中、従業員同士のつながりが希薄化することを防ぎ、孤立感を感じさせないための工夫が必要です。協心でも、定期的なフィードバックの場を設け、単なる業績だけではなく、日々のプロセスや努力をしっかりと評価する仕組みを導入し、職員が「正当に認められている」と感じられるような環境作りを進めています。

 

 サステナビリティの観点からも、企業の長期的な成功と従業員の働きがいは密接に関わっていると感じています。短期的な利益のみを重視し、従業員に過度な負担をかける働き方では、組織全体の成長は見込めません。むしろ、従業員の健康やメンタルケア、ワークライフバランスを重視した取り組みこそが、企業の持続可能な成長の基盤となるはずです。

 

 最後に、企業のサステナビリティを実現するためには、単に環境や社会に対する取り組みだけでなく、従業員一人ひとりが働きがいを感じられるような職場環境作りが欠かせないと私は考えています。これからも、協心として、そして私自身として、従業員の働きがいと企業の成長を両立させるための取り組みを続けていきたいと思います。

 

福岡オフィス長 城戸 康行