新型コロナウイルス感染症の影響が長引いたことにより、新入社員にとっては、新入社員同士または先輩・上司とのコミュニケーションを図ることが例年以上難しくなったり、また、社員教育がリモートとなることで十分な教育ができなかったり、大きな環境変化が起きています。これらによる早期離職なども懸念されますが、本日は、厚生労働省が公表した2018年3月卒業の新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況について取り上げます。
1.高卒・大卒の就職後3年以内の離職率
2018年3月の卒業者の就職後3年以内の離職率は、高卒の新規学卒就職者で36.9%と前年(39.5%)より2.6%減少し、大卒の新規学卒就職者で31.2%と前年(32.8%)より1.6%減少しました。高卒、大卒ともに前年に比べ離職率が低下しているものの、就職後3年以内に3人のうち1人が離職している状況に変わりはありません。これを事業所の規模別にみてみると、下表のとおりです。
表 事業所規模別の離職率
2.業種別の就職後3年以内の離職率
1とは別視点として、主な業種の高卒の3年以内の離職率をみてみると、宿泊・飲食サービスがもっとも高く(61.1%)、続いて生活関連サービス業・娯楽業(56.9%)、教育・学習支援業(50.1%)、小売業(47.8%)、医療、福祉(46.2%)となっています。大卒の3年以内の離職率をみてみると、宿泊・飲食サービスがもっとも高く(51.5%)、続いて生活関連サービス業・娯楽業(46.5%)、教育・学習支援業(45.6%)、医療、福祉(38.6%)、小売業(37.4%)となっています。
離職率は、各業種における業務内容に応じた特有のものもあるかとは思いますが、自社の離職率を確認し、離職率が高い場合は離職の原因を分析し、原因の解決に向けた離職防止策に力を入れたいものです。また、中途採用を中心にしている企業においても、同様に定着に視点をおいた施策が求められます。
■参考リンク
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。