コロナ禍であっても人材が不足する企業は多くあり、その解決策の一つとして、定年・再雇用後の従業員を引き続き雇用したり、60歳を超えた人材を新たに採用したりする動きがみられます。このような面から、今後、企業にとって高年齢労働者が安心かつ安全に働ける職場環境を作っていくことは、重要な課題となります。そこで今回は、その職場環境作りを支援するのためのエイジフレンドリー補助金をとり上げます。
[1]エイジフレンドリー補助金の概要
高年齢労働者が安心して安全に働くことができるよう、中小企業事業者による職場環境の改善等の安全衛生対策の実施に対し補助を行うエイジフレンドリー補助金が設けられています。これは高年齢労働者を常時1名以上雇用している中小企業が対象となり、高年齢労働者が安心して安全に働けるように職場環境の改善にかかった費用の一部を補助するものです。補助対象は以下の対策に要した費用になります。
1.高年齢労働者の新型コロナウイルス感染予防のための費用
2.身体機能の低下を補う設備・装置の導入に係る費用
3.健康や体力況等の把握に関する費用
4.安全衛生教育の実施に関する費用
補助対象となる対策に関しては「令和4年度エイジフレンドリー補助金Q&A」が公開されています。このQ&Aでは、例えばトラック荷台への昇降のためのリヤステップが対象となるか、介護施設等において自動浴槽とリフトは対象となるかといった項目が掲載されており、補助対象となる対策の具体例や対象とならないものがまとめられています。各企業からの申請書に基づき実施する対策の内容等が審査された上で、支給が決定されるため、補助金の活用を検討されている場合は、事前に確認し、申請を行うとよいでしょう。
[2]補助金額と申請期限
補助金額は、高年齢労働者のための職場環境改善に要した経費の2分の1で、上限額は100万円です。この補助金は、一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会が補助事業の実施事業者(補助事業者)となり、中小企業からの申請を受けて、審査等を行い、補助金の交付決定と支払いを実施します。
申請期間は2022年5月11日から10月31日までとなっており、申請先はエイジフレンドリー補助金事務センターになります。
補助金については予算があるため、申請期間中であっても受付が締切となる可能性があります。活用を検討される場合は、早めに補助金の交付申請をしましょう。
■参考リンク
厚生労働省「エイジフレンドリー補助金について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000791930.pdf
厚生労働省「令和4年度エイジフレンドリー補助金Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000791931.pdf
一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会 エイジフレンドリー補助金事務センター
https://www.jashcon-age.or.jp/
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。