DX推進、タレントマネジメント、テレワークへの移行など、人事労務に関連する業務の変革が課題となる昨今、これらの課題を解決するツールとしてHRテックが一躍脚光を浴びました。と言いますか今でも注目のトピックですね。

 

 少し前までは、様々な企業がHRテックの開発に乗り出し、様々なサービスが世に溢れていましたが、最近では少し落ち着きつつある傾向といったところでしょうか。かつての家庭ゲーム機戦争のように、ファミコンに対抗すべくPCエンジンやメガドライブといったゲーム機が登場するも、価格と機能性で広く市場に受け入れられていたファミコンがスーパーファミコンとしてバージョンアップして登場し、一気に終戦を迎えた時のことを思い出します。

 

 日本では目新しいHRテックですが、アメリカでは慣れ親しんだツールであり、人材の流動性が高いアメリカではその使い方も日本とは少し違っているようで、ビッグデータやAIといったテクノロジーを活用して、優秀な人材の採用や活用といった側面で使われていたりするそうです。そう考えると、終身雇用や新卒採用といった特有の人材運用が根強く残っていて人材の流動性が低い日本ではアメリカのような使われ方でHRテックが普及していくことはないのかもしれません。

 

 HRテックに関してお客様とお話しすると、「色々と便利そうな機能があってどう活用したらよいかわからない」という声を多く聞きます。HRテックのツールを導入したらすごく効率的になって色々なデータ分析ができて何か便利そうだという漠然とした印象をお持ちなのだろうと思いますが、焦点をあてるべきはHRテックの機能ではなく、自社の人事や採用における課題を特定することだと思います。

 

 そもそもHRテックは答えを出してくれるというものではありません。しかし、処理スピードが速くなるとか、データの裏付けにより説得力が増すといったことは考えられます。そのため、課題が明確であれば業務の正確性の向上や効率化にはとても効果的です。もしかしたら日本でのHRテックの活用はそういった側面で今後もさらに普及していくのではないかと思います。

 

 事実、HRテックを活用して業務の効率化を図りたいというお客様の声は日に日に多くなっているように感じます。こういった側面からもお客様に寄り添ったサービスが提供できるよう模索している今日この頃です。

 

東京支店長 白倉 玄