皆さんはSNSカウンセリングというものをご存じでしょうか。
私は先日受講したキャリアコンサルタントの更新講習の場にいた複数のコンサルタントの方からこのSNSカウンセリングの登録をしているという事を教えていただきました。それまで耳にしたことがなかったこのSNSでカウンセリングですが、十分なカウンセリングは本当にできるのだろうか?というのが私の最初の印象でした。
これまで「聴く」ことがカウンセリングの基本姿勢と考えていました。「聴く」という漢字には「耳」と「目」と「心」という文字が含まれているように、耳と目を使って心を傾ける、という事だと考えていたからです。近年ではコロナの影響もありオンラインで面談という機会もありますが、その際は対面のように「聴く」ことが出来ない部分を補うため、画面を通じて普段以上に相手の表情や声色を伺いながらこちらの「聴いている姿」をどう見せるか、ということに気を配ります。
ですので、SNSでカウンセリングとなれば相手の姿も見えず、声色もうかがえない、カウンセラーの聴いている姿を見せる事もできないのでは?と思い「十分なカウンセリングはできるのか」と感じたのです。
調べてみると、SNSカウンセリングは2017年長野県で実施された「ひとりで悩まないで@長野」という中高生を対象としたSNS相談が行政として初めての試みといわれているようです。現在では厚生労働省の困った時の相談窓口のサイトには「いのちの電話」と並んでSNSによる相談窓口が複数紹介されています。
色々SNSカウンセリングについて調べているうちに、カウンセリングをするなら対面か、オンラインか、SNSか、とどうやら私はカウンセラー目線でより良い相談対応ができるのはどちらか?という目線に固執していたことに「はっ!」と気づきました。利用者側からすると、対面よりオンライン、オンラインよりSNSの方が時間や場所の制約を気にせず気軽に相談できますし、むしろ電話や対面に抵抗感を感じてしまう若い世代の方には普段使い慣れているSNSの方が気持ちや思いを率直に打ち明けやすいというのは当然のことの様に感じてきました。誰のためのカウンセリングなのか、どうやら気づかないうちに視野が狭くなっていたようです。
視野が狭くなる原因としていわれるのが閉鎖的な環境にいる事、自分の意見が通る環境にいる事、心身の疲れ等が言われています。
視野を広く持つためにはこの逆のこと、読書や趣味を持つ、多くの人と接する機会を持つ、適度な休息をとるなど努めるのが効果的なように思います。どれもそのための時間を作る必要があります。つまりは視野を広く持つ、という事は自然発生的に持てるものではなく、本人の努力が必要であり、意識的に取り組む必要がある、という事なのでしょう。
視野は広いほうが物事の全体を広く見渡せ、柔軟な発想や多角的な判断する能力に繋がります。
今回のSNSカウンセリングを知ることで自分の視野の狭さに気づくことができたのをきっかけに、私も努力して視野を広げる取り組みをしてみたいと思いました。
神戸支店長 春原 真起子