「経営とは何か?」このような問いかけに対しては、経営者が100人いれば100通りの答えがあるでしょう。数学の方程式や物理の法則のように、絶対的な正解があるわけではありません。
昔、私が何かの本でその言葉を目にして以来、これこそが「経営とは何か」の答えではないかと考えているものがありますので、紹介したいと思います。
――経営とは、知らしめることである。
曰く、外部(客)へ向けて多大な費用と労力を使って伝えることはするものの、内部(社内)へ向けて伝えることに重きを置いている経営者は少ないのではないか。内部に向けて情報発信を行い、経営者の理念や考え、指示やその目的を従業員に伝え知らせることは、従業員たちの士気を高める最大の手段であるにも関わらず、という訳です。
なるほど、会社組織のトップを含めた一部の人間しか重要な決定事項を知らないという状況よりも、トップが何を考え、会社がどこへ向かおうとしているのかを含め様々な情報がガラス張りになっている状況にすること。そのような状況を作って初めて経営者とすべての従業員が同じ理念や価値観を共有することができるようになるでしょう(知られては問題になることがありますか?いいえ、「知られては困ること」があることこそが問題なのです)。
会社の規模が大きくなってくるにつれ、経営者と従業員の(物理的・心理的)距離はどんどん離れていきます。距離が離れてしまうと理念や価値観の共有が困難になります。それらが共有できないままに、顧客満足度を高めることなど至難の技になるでしょう。つまり、皆さんが「顧客満足度を高めたい」とお考えなのであれば、まずは従業員との理念・価値観の共有を行う必要があり、そのためには情報を積極的に「知らしめる」ことが、極めて重要になるのです。
私たち協心も、さらに「知らしめる経営」を積極的に推進していくことを通じで、皆様の満足度を高めるように努力を続けてまいります。
兵庫支店長 増尾 倫能