もう20年以上も前の話しですが、私は学生時代に某コーヒーチェーン店でアルバイトをしていました。

 つい先日、そのアルバイトで一緒に働いていた仲間のLINEグループができて、連絡をとりあうことがあり当時を思い出しました。

 今思うと私が人事労務に興味を持ったきっかけは、この某コーヒーチェーン店でのアルバイトでした。それまでにいくつかアルバイトを経験していた私ですが、働くことが楽しいと心底思い、アルバイト代を稼ぎたいという意味ではなく、もっとシフトに入れてほしいもっとあの職場で働きたいと望んだ職場でした。

 職場に行きたいと思える職場には何があるのか。某コーヒーチェーン店では様々な仕組みがありましたが、私が強く印象に残っているのはアナログな声の掛け合いとアイコンタクトです。

 お客様からの注文を調理場に通す方法は、効率と正確性の観点から注文が入るたびに調理場にある機械から料理名が印字されて出てきたり、今であればディスプレイ表示されるという方法が一般的だと思います。

 しかし、当時の某コーヒーチェーン店ではお客様からのオーダーを通すとき、コーリングと言ってレジの人が声で伝え、コーヒーをつくる人は受けたオーダーを復唱します。そしてアイコンタクト必須でした。これ、今思うとすごくアナログですが、この仕組み化されたコミュニケーションのやり取りが今でも鮮明な記憶として残っています。それだけ、その声の掛け合いが楽しかったということだと思います。

 当然、声を掛け合うことが必要ない業種や職種もありますしコミュニケーションの方法は様々です。逆にアナログな声の掛け合いなどがなかば強制のような職場では、それ自体がストレス要因となってしまうこともあるでしょう。

 テレワークの普及で、職場という概念が大きく変わっているため、アナログにこだわる必要はないのかもしれませんが、対面でのコミュニケーションが少なくなっているのは事実なので参考にしたいものです。

 

東京支店長 白倉 玄