ここ数ヶ月で上位となる相談内容は、テレワークに関する相談でした。緊急事態宣言中に、なかば無理矢理に実施したテレワークを本格的に導入しようという企業が増えてきたという状況でしょうか。

 通勤手当がなくなることや、小スペースのオフィスや賃金の安い地域へ移転することで、コストが削減できるというわかりやすくインパクトあるメリットが、企業のテレワーク導入を後押ししているようにも思います。

 労働者側としては、通勤がなくなることがメリットとしてあがることが多いのですが、私の場合には、あまりあてはまらない気がします。決して通勤時間が短い訳ではなく、都内在勤者の平均より通勤時間は多い方です。

 私が在宅勤務中に感じたことは、「ぼんやりと考える時間もない」ということです。家にいるので自然と家事や育児をすることになります。そして在宅勤務は常に仕事ができる環境なので、仕事に加えて家事や育児をするという状態が、ずーっと続きました。一息つけるのはトイレに入っている時くらいでしょうか。

 それに比べて通勤時間は天国でした。何もできない環境があるからこそ心と頭をリフレッシュすることができます。最近ではソロキャンプというのが流行っているようですが、家が仕事場になったらWi-Fiの代わりに虫が飛んでいる山に行きたくなる気持ちも分かります。

 テレワーク中に従業員がサボるのではないかと心配される企業が多いためか、在宅勤務中の映像がランダムに録画され定期的に上司に送信されるといったシステムもあるようですが、労働者にしてみればまるで監獄にいるようなものです。サボることに目を向けたくなる気持ちもわかりますが、在宅勤務を経験した私の考えとしては働き過ぎやメンタルケアをどうするかに目を向ける必要もあると感じます。

 とはいえ、満員電車のストレスから解放されるという意味で、通勤がなくなることのメリットもとても大きいですね。

 

東京支店長 白倉 玄