この地球上にはおよそ77億人が生活していますが、その男女比はほぼ半分。もちろん世界中のどの国でもだいたい男女比は半分になっています。しかしながら世界経済フォーラムが行った「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」調査2019年版では、調査対象となった世界153カ国のうち、日本は121位(2018年は110位)と、先進国の中で最下位。その他国内の多くの調査でも、政治や経済、教育の分野で活躍する女性が少ないという結果が出ています。
もちろん日本政府としてその状態をただ指を加えて見ているわけではなく、2015年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が、2018年には「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行され、一見熱心に取り組んでいるようにも思えます。しかし調査結果は先の通りです。
どうして男女格差が埋まらないのか。
どれだけ法律や制度を整備しても、他ならぬ女性が「管理職になりたい」と思わなければ仕方のないこと。「管理職になったら夜遅くまで会社に残らないといけなくなって、子育てや家事との両立なんて到底無理」そう考える女性が多くいることは想像に難くありません。
しかし会社の中にうまく家庭と仕事を両立している女性が一人でも出てくれば、その人のようになりたいと思う女性も出てくるでしょう。そう、モデルが必要なのです。最初の一人を生み出せば、そこに続く女性も出てきます。
女性管理職の比率を上げていく。これは一朝一夕に出来ることではありませんが、リモートワークが一気に身近になった今こそ、仕事と家庭の両立を「男女共に」取り組みながら、「男性が仕事をし、女性が家庭を守る」という男性中心の古い考え方を変えていくチャンスです。
これからは間違いなく男女格差が少ない企業/団体が選ばれる時代が訪れます。いつまでも「男だけの世界」でやっている会社は淘汰される時代がきっとやってくるでしょう。そのために今出来ることは何か。新型コロナのおかげで進んだリモートワークが、その大きな役割を担うような気がします。
兵庫支店長 増尾 倫能