2022年卒業予定の学生の就職活動が佳境にさしかかりました。一応ルールでは面接等の選考活動の解禁日は6月1日ですが、とりわけ大手企業は同日にかなりの内定通知を出します。あってないようなルールですがまあそれは置いといて、コロナ騒動から2年目となる今年は企業、学生の双方でオンライン対応が浸透し、今やお手のものといった感じでしょうか。
そんな中、割と多くの学生が戸惑いや不安に感じていることが対面による面接とのこと。企業は最終選考に近づくほど対面を増やしていく傾向にあります。慣れた自室を飛び出してアウェーに乗り込み、画面越しではなく実物の面接官が目の前にいることへの緊張や恐怖、また相手との距離が想像より離れている場合は表情もつかみにくいといったことが理由でしょうか。
会場費を抑えられる、遠方からの応募者も増える、こういったメリットを考えるとコロナが収束した後もオンライン面接(と対面の併用)は続くでしょう。WEBミーティング然り、コロナはこれまでの日常を大きく変えました。何かが何かに取って代わる瞬間、言わばオーソドックスがそうではなくなる瞬間を肌で感じている今日この頃です。
人類が進化する過程の中で、必要なくなった器官や機能は退化していきました。手首付近にある(あった)長掌筋や耳周りの筋肉は退化していったものと言われていますが、やはり最も有名なのが尻尾です。遥か昔の祖先が尻尾を持っていたことは尾てい骨が示しています。
昔と比較にすることすら意味のないほど現代は急速に変化しています。数万年単位から数百単位で半ば自然に進化(退化)していった人類ですが、今では強制的に年単位でアップデートしないと自然に任せていても到底追いつかないですね。
いろんなことがオンラインで完結することでコミュニケーション能力の低下が危惧されていますが、もしかするとこの能力も「要らない」ものとなり退化していくのでしょうか。また、ここ数年の新人アンケート調査では、「会社にかかってくる電話を取るのが苦手、怖い」と回答する人(そもそも固定電話を触ったことがない世代が多い)が増えていますが、まるでこの悩みを解消するかのようにビジネスチャットの普及が加速し、固定電話をなくす会社も出てきました。さすがに固定電話が全消滅するとは思いませんが、これも現時点の常識をもとにした考え方。ひと昔前どころか昨日の常識が今日は通用しない世の中なので今後何が起こっても不思議ではありません。
ちなみに、最もかわいらしい進化(退化)の名残は、赤ちゃんが手の平に置かれたものをぎゅっと握りしめてしまう把握反射です。生後まもなくでも木にしがみつけるようにというサル特有の反射と握力の名残だと考えられていますが、だいたい生後5カ月くらいで自然と失われてしまうそうです。もうちょっと長い間ぎゅっとされたいものですね。
福岡支店長 城戸 康行