今年もあっという間に12月になりました。一年を振り返った時、報道等でパワハラに関する事案が日々取り上げられるということもあってこれまで以上に「パワーハラスメント」が注目を浴びた年だったなと感じています。
顧問先の皆様からもパワーハラスメントに関する相談、が多く寄せられています。加害者について説明をされる際に感じるのですが、
「叱責するときに言い方がまずい」
「〇〇さんは感情的になりやすい」
「あの人は昔ながらのやり方を変えられないから」
等と、多くの場合で加害者個人の問題として捉えてしまわれがちです。
一方で、加害者とされやすい上司層からは、会社側からパワーハラスメントが疑われる言動を厳しく制限されるような指導を受けることにより、
「ミスをしても叱責できなくなる」
「飲み会やランチには誘ったらだめなのか」
「プライベートな話は怖くて聞けない」
「部下の立場が強く感じられて、言い返せない」
といった声も出てきています。部下層との隔たりや遠慮、接触を回避するような言動になってしまわないかとても気がかりです。
パワーハラスメントが起きている職場は企業イメージが悪化するだけでなく、人材が定着しづらく、また意欲の低下につながりやすいため生産性に悪影響が及んでしまいます。ですので、ハラスメントが起きないよう企業として対策することは必要です。しかしながら、ハラスメントと疑われない為に部下との接触を回避するような上司の言動は健全なコミュニケーションとはいえません。
「2023年度新入社員意識調査」という新入社員を対象とした調査の中で、理想だと思う上司・先輩については「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」、「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」「言動が一致している上司・先輩」という回答が上位を占めていました。
パワーハラスメントを回避しつつ、健全なコミュニケーションを実現するには、
・適切な指導(観察とフィードバック)
・傾聴
・公平性
というのが鍵になりそうですね。
来年はさらにより一層メンバーとの健全なコミュニケーションを実現しつつ、個々の成長を支えるため精進したいと思います。
神戸支店長 春原 真起子