サッカーW杯で激闘が繰り広げられていますね。この原稿を書いている本日、日本が決勝リーグへ進むことが決定しました!ぜひ、日本が世界に通用するということを見せつけてほしいと、いち国民として願っています。まだまだ睡眠不足の日々は続きそうです…

 

 そして、サッカー場外でも日本が注目されているのは、近年ではおなじみの「会場清掃」です。来た時よりも美しく-日本人ならよく聞くこの言葉は、世界では珍しいようです。いい意味での、日本の常識は世界の非常識、といったところでしょうか。

 

 しかし冷静に考えれば、そりゃそうです。他国の人からすると、お金を払ってまで試合を見にきているのに、なぜ清掃員の仕事をするのか理解できないでしょう。

 

 私自身はブラジルで教師をしていたこともあり、外国人の掃除に対する感覚は知っているつもりです。児童が壁にでっかい落書きをして、消せ!-消さない!の問答になり、強制的に消させたことが問題になり…掃除をめぐって散々PTAともめました(笑)清掃員のようなマネを!そんなやりとりから、職業貴賤の存在を感じさせられたものです。

 

 また、掃除は他の人の仕事という考え方もあるでしょう。学生が本分とする勉学に集中できるように、もっとも煩わしく感じる掃除をプロが請け負う。合理的ではありますね。

 

 日本では小学校から毎日のように行われる掃除ですが、世界では大半がプロに掃除を任せており、児童や生徒が自ら掃除を行う国は3割ほどしかありません。その3割の中でも、プロに依頼する人件費の削減が目的であったりと、日本のように使っている場所をキレイにする目的以外に「その中にある教育効果」を求めている国は、そうないでしょう。

 

 これは、ひとえに日本文化としか言いようがありませんが、一つには「道」を求める文化、そして仏教の影響もあるでしょうね。いずれにせよ、人格をつくるための修行のようなニュアンスでしょうか。掃除を作業としてとらえず、教育の一部になってますね。

 

 実は、これが本当に素晴らしい教育ではないかと思っています。自分達の居場所を自分達でつくる、物を大切にする、他者と協力してやり遂げる、卒業後に同じ場を使う他者を思いやるetc…いま世界に最も不足しているものではないでしょうか。今後この「掃除教育」が世界で当たり前になる、そう遠い話でもないのではとすら感じる今日この頃です。

 

大阪支店長 𠮷村 徳男